月経のメカニズムは、脳の視床下部という場所からゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)が分泌されることから始まります。
視床下部はホルモンを分泌する中枢としてだけではなく、感情や自律神経系の中枢としても大切な働きをするところです。
したがって、ストレスや環境の変化などでホルモンの分泌に影響が出ると、結果として生理周期が乱が生じます。
また、過度のダイエットや甲状腺の機能障害、薬剤などが生理周期に影響を与えることもあります。
当院では超音波検査や内分泌検査を行い、その結果や月経不順の程度によって、ホルモン療法などの治療を行います。
月経困難症は、月経(生理)の開始に伴って激しい下腹部痛、腰痛などを主な症状とした婦人科に関係する病気として比較的頻度の高い病気です。
人により腹部が張った感じや吐き気、頭痛、疲労、脱力感、食欲不振、イライラ、下痢および憂うつなどの様々な不快症状を引き起こすことがあります。
子宮をはじめとする骨盤内臓器に原因となる病気を伴わないものです。
月経の初日および2日目頃の出血が多いときに強く、痛みの性質はけいれん性、周期性であることが多いものです。
・月経(生理)時に子宮内膜で過剰産生されたプロスタグランジンという物質が、子宮の筋肉を過強に収縮して下腹部痛を起こす。
・子宮頸管(子宮の入り口)が細いために月経血の流れがスムーズにいかず、これを出そうとする子宮収縮運動などによる。(また、このプロスタグランジンが全身の血液中に循環することで、吐き気や頭痛などを引き起こすこともあります。)
子宮内膜症、子宮筋腫などの何らかの病気が原因場合が多いものです。
症状として、月経(生理)の4から5日前から月経後まで続く持続性の鈍痛が挙げられます。
また、機能性月経困難症の原因と同様に、プロスタグランジンによる子宮筋の過収縮や子宮頸管の狭小による子宮収縮運動も合併することがあります。
当院では超音波検査や内分泌検査を行い、その結果や月経不順の程度によって、低用量ピルの処方などの治療を行います。
月経日を旅行などの予定で何日か移動させたい方は、お早めにご相談下さい。
月経が発来する前、黄体期は受精卵の着床のために子宮内膜が肥厚しています。
これは卵巣の黄体から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンにより子宮内膜の肥厚が維持されています。
受精卵が着床しないとHCGが分泌されないので黄体が刺激されません。
黄体は寿命が2週間くらいなので、刺激がないと(妊娠しないと)エストロゲンやプロゲステロンの分泌が減少し、血中から消失してゆきます。
するとこれらのホルモンの作用が無くなり、子宮内膜が維持できなくなり出血始まります。
これが月経です。
このメカニズムを利用しエストロゲンやプロゲステロンを内服薬で追加することで、月経を抑制することができます。
よって予定月経を移動させることができます。
当院ではエストロゲンとプロゲステロンが一緒含まれるホルモン剤を処方致しております。